2丁目の住人
磨いたトークに常連集う
「新宿2丁目」といえば世界最大級のゲイタウンとして知名度抜群。あのフレディ・マーキュリーも日本ツアーのたびにお忍びで訪れていたことは有名だ。その街は今やジェンダーの垣根を越え、LGBTだけでなく、女性やノンケ(異性愛の男性)が楽しめる店も点在する。バー「ピンクパンサー」も、そのひとつだ。
「14年前にオープンしました。最初は客として2丁目を飲み歩いていたんですよ。女性の私は、ここでは色恋沙汰とは無関係。もぉ~居心地サイコー!すっかりハマっちゃって」笑顔で語るのは、女性オーナーの森令緒さん。
馴染みの店で2年ほど働いて独立したそうだ。
L字のカウンターで、ゲイと一緒に盛り上がったり、カラオケを熱唱するサラリーマンに合いの手を入れたり。「2丁目の住人」として磨いたトークに、あらゆるジャンルの常連客が引き寄せられる。
「でも、コロナ禍のこの3年は大変でしたよ。ビルの大家さんに家賃の値下げをお願いしようとしたら、逆に『値上げしたい』と言われてビックリ仰天。ウクライナ問題では、フランスからの船便が止まり、シャンパンが入荷できなくなって。まっ、落ち込んでいても仕方ないでしょう。みんながウチで楽しく飲んで、元気になってくれたらうれしいわ。一緒に楽しく飲みましょう」
1人3000円~。2丁目で飲むときに覚えておくと重宝する。ちなみにママは、焼酎、ワイン、なんでもイケる口だ。